赤字続きでも銀行に見放されない会社の5つの共通点|事業再生コンサル解説

オフィスレナセル

 

「2期連続赤字なんですが、もう銀行から見放されますよね…」というご相談を、法人向け事業再生コンサルティングのオフィスレナセルでも毎月のように頂戴します。結論からお伝えすると、赤字=即融資停止というのは古い時代の話で、現在の金融機関は会社の将来の返済可能性を多面的に見ています。本記事では、金融検査マニュアル廃止後の金融機関の見方の変化と、赤字続きでも銀行に見放されない会社が押さえている5つの共通点を整理してご紹介します。

 

「赤字=即融資停止」は過去の話

長く中小企業金融の現場を見てきた立場からお伝えすると、現在の金融機関は単年度の赤字だけで融資判断を下すことはまずありません。一時的な業績悪化と恒常的な経営悪化を区別し、将来のキャッシュフローと改善余地を含めて評価する姿勢が、2019年以降ますます強まっています。

 

具体的には、「赤字の理由が説明できるか」「経営者が改善に向けて動いているか」「資金繰りを自社で把握しているか」といった定性面が、決算書の数字以上に重視されるケースが増えています。

 

金融検査マニュアル廃止と金融機関の見方の変化

金融機関の融資判断が大きく変わった背景には、2019年12月18日の「金融検査マニュアル」廃止があります。金融検査マニュアルは1999年に公表され、融資先を財務内容や資金繰り等によって5つの債務者区分(正常先・要注意先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先)に分類し、担保・保証に応じて引当をする仕組みでした。

 

廃止後は、金融庁の「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」のもと、各金融機関が独自の経営理念・方針に基づいて引当を判断できる仕組みに変わりました。担保・保証の有無だけでなく、将来のキャッシュフローに基づく返済可能性に着目することが正式に求められています。

 

これは中小企業にとってチャンスでもあります。決算書上は赤字でも、事業性評価で「将来きちんと返せる」と判断されれば、融資継続・追加融資の余地があるということです。

 

銀行に見放されない会社の5つの共通点

① 社長と銀行担当者の対話が継続している

業績が悪化したときに最も避けたいのが、銀行への報告・連絡を止めてしまうことです。担当者から見ると、状況が分からない取引先ほどリスクが高く映ります。月次の試算表共有・四半期面談・期初の事業計画説明など、こちらから能動的に情報提供している会社は、見放されにくい傾向があります。

 

② 試算表・資金繰り表が毎月作れている

銀行が最も警戒するのは「自社の数字を社長が把握していない会社」です。月次試算表と13週資金繰り表(向こう3か月の入出金予測)が出せる体制があるだけで、対話の質が変わります。試算表が遅れがちな企業は、税理士・会計事務所と連携して仕組みを整えることが第一歩です。

 

③ 赤字の理由を自社で説明できる

「なぜ赤字なのか」「いつまで赤字が続くのか」「黒字化のための施策は何か」——この3点を経営者自身の言葉で説明できる会社は、銀行の評価がぐっと上がります。原価高騰・取引先の倒産・大型投資の減価償却負担など、赤字の構造を整理して語れるかどうかが定性評価の核心です。

 

④ 経営改善の具体的アクションが動いている

「今期は◯◯と××で固定費を年◯◯◯万円圧縮する」「不採算事業から段階的に撤退する」など、具体的なアクションプランが進行中であることを示せるかどうかも重要です。経営改善計画書の作り方でもお伝えしていますが、計画は作って終わりではなく、進捗管理と銀行への報告までがセットです。

 

⑤ 認定経営革新等支援機関の助言を受けている

中小企業等経営強化法に基づき国が認定する認定経営革新等支援機関(税理士・公認会計士・弁護士・金融機関・商工会議所等)の関与を受けていることも、銀行の安心材料になります。資金繰りが厳しいときやるべき3ステップでも触れたとおり、第三者の専門家視点が入ることで計画の客観性が増します。

 

公的支援制度を組み合わせて使う

赤字が続いていても、次のような公的支援制度を組み合わせることで、銀行交渉が前に進みやすくなります。

 

  • 早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業):認定経営革新等支援機関の支援を受けて経営改善計画を策定する際の費用を、一定割合まで補助する制度
  • 経営改善計画策定支援:金融支援を伴う本格的な経営改善計画策定への支援
  • 中小企業活性化協議会:全国の都道府県に設置され、商工会議所等が運営。収益力改善・経営改善・事業再生・再チャレンジの相談窓口

 

これらは中小企業庁・中小企業基盤整備機構が所管する公的制度で、信頼できる第三者として銀行交渉の場に同席してもらえるケースもあります。銀行への返済が苦しくなったら?リスケジュールと組み合わせると、より構造的な改善が見えてきます。

 

大切なのは「早めの相談」

赤字続きで一番リスクが高いのは、状況が悪化してから動き出すことです。資金ショート目前で銀行に駆け込むより、赤字に転じた段階で先回りして対話を始めている会社のほうが、金融機関の支援を引き出しやすいのが現場の実感です。オフィスレナセルでは、法人・会社向けの借金再生コンサルティングとして、銀行交渉・経営改善計画・事業再生スキームのご相談を承っています。「いまの段階で相談すべきか」だけでも、お気軽にお問い合わせください。

 

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【免責事項】
本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の法的・会計的判断を保証するものではありません。実際の経営改善・銀行交渉・事業再生にあたっては、必ず認定経営革新等支援機関の税理士・公認会計士・弁護士等の専門家にご相談ください。本記事の内容に基づく判断によって生じたいかなる損害についても、当社は責任を負いかねます。