銀行の債務者区分(格付け)とは?5つの区分と改善のポイント

オフィスレナセル

 

「同じ業績なのに、なぜあの会社は融資が通って、うちは断られるのか」——その背景には、銀行が融資先ごとに付けている債務者区分(格付け)があります。債務者区分は、新規融資の可否や金利、リスケジュールへの対応まで、銀行の融資スタンスを大きく左右する重要な区分です。本記事では、債務者区分の5つの区分の仕組みと、金融検査マニュアル廃止後の現在の評価の考え方、そして区分を改善するためのポイントを、事業再生コンサルのオフィスレナセルが解説します。

銀行の債務者区分(格付け)とは

債務者区分とは、銀行が融資先の企業を、財務状況や返済状況に応じて分類した区分のことです。銀行はこの区分に基づいて、貸し倒れに備えた引当金を計算し、各企業への融資方針を決めています。区分が上位であれば新規融資や条件変更に応じてもらいやすく、下位になるほど融資のハードルは高くなります。

この債務者区分の考え方は、もともと金融庁が1999年に公表した金融検査マニュアルに基づくものでした。バブル崩壊後の不良債権処理を背景に、融資先を5つの区分に分類し、担保や保証の状況に応じて引当を行う実務が広く定着しました。

債務者区分の5つの区分

債務者区分は、一般に次の5つに分類されます。

▶ ①正常先
業績が良好で、財務内容にも特段の問題がない先です。

▶ ②要注意先
業績が低調、または返済が遅れがちなど、今後の管理に注意を要する先です。さらに「その他要注意先」と、3ヶ月以上の延滞、または貸出条件の緩和(リスケジュール)がある「要管理先」に分かれます。要管理先になると、追加の融資を受けることが難しくなる傾向があります。

▶ ③破綻懸念先
現状で経営難にあり、今後経営破綻に陥る可能性が高いと認められる先です。

▶ ④実質破綻先
法的・形式的には破綻していないものの、実質的に経営破綻に陥っている先です。

▶ ⑤破綻先
法的・形式的に経営破綻の事実が発生している先です。

融資を受けるうえで一つの分かれ目となるのが、正常先と要注意先の境目、そして要管理先かどうかという点です。

金融検査マニュアル廃止後の「いまの」評価

融資環境の変化を背景に、金融検査マニュアルは2019年(令和元年)12月18日に正式に廃止されました。同日、金融庁は「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」を公表しています。

廃止の背景には、銀行が区分の良い企業ばかりを訪問し、資金繰りに困った企業への支援が手薄になる「日本型金融排除」への反省があったとされています。廃止後は、金融機関それぞれの個性・特性に即した検査・監督が行われ、過去の財務実績だけでなく、対話を通じて把握した将来を見据えた事業の見通しも勘案する方針が示されました。

もっとも、マニュアルが廃止されたからといって、債務者区分そのものがなくなったわけではありません。実務上、多くの金融機関では引き続き債務者区分の考え方を用いて融資判断を行っています。つまり、これまでの財務面に加えて、事業の将来性をどう銀行に伝えるかが、より重要になっているといえます。

債務者区分を改善するためのポイント

債務者区分は固定されたものではなく、財務の改善や銀行との関係づくりによって、上位へ見直される可能性があります。代表的なポイントは次のとおりです。

財務体質を改善する

まずは本業の黒字化(経常利益の確保)と、債務超過の解消が基本です。あわせて、有利子負債を年間のキャッシュフローで何年かけて返せるかを示す「債務償還年数」は、短いほど健全と評価される傾向があります。一度に達成するのは難しくても、改善の方向に進んでいることが重要です。具体的な財務改善の進め方は赤字続きでも銀行に見放されない会社の5つの共通点もあわせてご覧ください。

銀行との対話と情報開示を重ねる

廃止後の方針が「対話」と「将来性」を重視している以上、試算表や資金繰り表をこまめに提出し、自社の状況と改善計画を正直に共有することが評価につながります。とくに経営改善計画書で再建の道筋を数字で示すことは有効です。条件変更が必要な場合も、誠実な対応が信頼を保ちます(リスケジュールの進め方もご参照ください)。早期に着手したい場合は早期経営改善計画(Vアップ事業)の活用も選択肢です。

格付けの改善は専門家とともに

債務者区分は銀行内部の評価であり、企業側からは見えにくいものです。しかし、財務改善と銀行への適切な説明によって、評価を見直してもらえる可能性は十分にあります。オフィスレナセルは、中小企業の事業再生・経営改善を専門に、財務分析から経営改善計画の策定、銀行との交渉支援まで一貫してサポートしています。「自社の区分がどのあたりか分からない」「銀行への説明に不安がある」という段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

借金・資金繰りのお悩みは、オフィスレナセルへ

中小企業の事業再生・経営改善コンサルティング

無料相談のお問い合わせはこちら

【免責事項】
本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の法的・会計的判断を保証するものではありません。実際の財務改善や銀行との交渉、債務者区分への対応にあたっては、必ず認定経営革新等支援機関の税理士・公認会計士・弁護士等の専門家にご相談ください。本記事の内容に基づく判断によって生じたいかなる損害についても、当社は責任を負いかねます。